第6章 6月【てるてるぼうずを作ろう】ワンピース/ルフィ
そのとき頭上でパンッと音が鳴り響き、白や赤、金のキラキラした紙吹雪が2人の頭上から舞い降りた。
「ウソップ!」
ルフィの声が向かう方で、射的場にいた狙撃手がこちらに手を振っている。
この演出は彼の仕業だ。
ルフィが嬉しそうに手を振り返すのも束の間に、ウソップは慌てて小さな路地の方に駆け出していく。
予定時刻にはない鐘の音に、自警団が動き出したのだ。
「やっべぇ、逃げるぞ。ノト」
ルフィはノトの手を握り、丘を下りだす。
勢い良く揺らした鐘は、未だ音を鳴らし続けている。
✳︎
(NEXT to 『夢工房。/Nina』7月編)