第6章 6月【てるてるぼうずを作ろう】ワンピース/ルフィ
キラウィの稀有な血筋は特殊である。
「血は決して混ざり得ない」のだ。
キラウィはキラウィとしか子を授からない。
そのためか、キラウィは移民と恋に落ちてはいけないという島の掟があった。
ノトには恋人がいたが、それは絶対の秘め事だった。
愛し合った相手は移民。
周囲も2人の仲の良さは認めていたが、まさか恋人だとは思わない。
あの小高い丘の上で、鐘なんて鳴らなくたっていい。
2人でひっそりと、死ぬまで生きていければ良いと思っていた。
だが事は思惑通りに運ぶことはなく。
移民であった彼は、結婚させてくれとノトの親に頼み込んだらしい。
どこまで真面目な人なんだろう。
それは島の人にとっては大事件で、逆鱗に触れた彼は島から永久に追放されてしまう。
貴重なキラウィであるノトが駆け落ちなどせぬよう、ひっそりと。
いつのまにか彼はノトの目の前から消えた。
鐘の音なんて鳴らなくたって、ただ側にいられれば良かったのに。