第6章 6月【てるてるぼうずを作ろう】ワンピース/ルフィ
「すっげー、海ん中丸見えだぁ!でもなぁ、食いてぇのは魚じゃねんだよなぁ」
「ほんと、透明度がばっつぐーん!この島はね、熱帯域なのに常に穏やかな風が吹くから過ごしやすいのよ。嵐の通り道も外れた位置にあるから、一言で表せば年中楽園ね。サイッコーだわ。ありがとうフランキー!」
「アーウ!喜べねぇぜ。老朽化は間逃れねぇからな。サクッと治してやるぜサニー号!」
海賊麦わらの一味は大切な仲間である愛船・サウザンドサニー号の一部修理のためどこか島に寄りたいとの船大工の提言を受け、ちょうど近くに位置するバオブ島に寄ろうとしていた。
この島は、世界に興味があるものは誰しもが知っているだろう観光の名所である。
ならば余所者のための造船業も盛んであろうと船大工・フランキーは判断をした。
「すっげー!なぁなぁロビン。シャボン玉が飛んでくるぞ!ハートだぁー!」
「(…かわいい)」
島に近寄れば、鐘の音の余韻とともにちょうど丘の上から撒かれたシャボン玉が風に乗ってやってきた。
子どものようにはしゃぐチョッパーと、密かに心躍らすロビンもこの島への好奇心が止まらない。
船番は誰か。それは華やかなことには1番興味のなさそうな男になりそうだ。
船着場へ到着する。
1番に船を飛び降りたのは誰か。
それは意外なことに、船長である麦わらのルフィであった。
「わりぃ、限界だ。肉食ってくる!」
直前に寄った島はベジタリアンの文化が根付く島だった。
魚は数少ないが卸されており、旅の途中海からの調達を加えなんとか腹を満たしてきたが、ルフィはコックに何度涙を浮かべ肉を懇願したことか。
ルフィは街の中心部に向かい、ハートのシャボン玉が舞う道を駆け抜ける。