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サンロクゴ

第6章 6月【てるてるぼうずを作ろう】ワンピース/ルフィ




この広い海のとある島は、嵐はほとんど来ることはなく年中気候も良好。
エメラルドグリーンの透き通る海水の下ではカラフルな魚達とサンゴが訪れたもを歓迎する。
この美しい「バオブ島」は近隣もしくは遠くの島から訪れた者により、連日のように挙式が行われる人気のウェディングスポットとなっていた。

人気なのは、穏やかな渡航条件、美しい景観だけではない。
ここではこの島独特の文化であるダンスが拝める。
それは新婚たちの愛をより一層育み、高確率でハネムーンベイビーを授ける魅惑のダンス。

この島の人口は数万人。
うち「キラウィ」と呼ばれる先住民は数パーセントで、残りはこの島が気に入った移民たち。
キラウィの女性は幼い頃から、腰を使う妖艶で激しいそのダンスを習う。
移民であっても修練さえすればダンサーにはなれるが、人の本能を高ぶらせるテンプテーションを起こすのは、キラウィの血だけであった。





この島では午前10時、午後2時、夜の8時と、1日で最大3度の鐘の音が鳴り響く。
小高い丘の上で、愛し合った2人が家族になる瞬間だ。
昼夜問わず島の中心部は賑わい、幸せな気持ちで胸いっぱいの人々が溢れ返している。


その日の午後2時も鐘の音は響き渡る。
今日の祝福の演出は、ピンク色に光るハート型のシャボン玉。
旅行者であろう小さな女の子は急に現れたたくさんのシャボン玉にはしゃぎ、落ちぬよう、割れぬようにと息を懸命に吹きかけている。

丘のふもとでそれを眺めていたノトの目の前にも、幸せに溢れるシャボン玉は流れてきた。
ハートを掴もうと触れた瞬間、目の前で割れる。
そんなこと当たり前なのに、手を差し出した自分にノトは自嘲する。




ノトは、稀有な血を継ぐキラウィの娘であった。









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