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サンロクゴ
第4章 4月 【花と雪、桜の樹の下で】戦国無双/真田幸村
食卓に並ぶ「春の使者」
幼い頃、花が開きすぎ苦味の増したものが一度だけ御膳に並んだことがある。
あまりの苦みで涙ぐみ口から吐き出そうとすれば、山の恵みに感謝しなさいと父に叱られ、無理やりに飲み込んだ。
それ以来、嫌いになった。
春の使者は、雪が溶けると顔を出す。
雪が溶けたとき、それは戦が始まるとき。
私は春が、大嫌いだ。
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