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delivery start【KJ∞】

第6章 誰為、己為


いつもの駅についた時には、もう夜になっていた。


「横山さんの謀りごととはいえ、迎えに来て頂いて…ありがとうございました」

「いや、ええねん。びっくりはしたけど」
すばるさんが思い出し笑いをする。

「…なぁ、」

「はい?」

「カレー、食いに行かへん?」








という、すばるさんのお誘いで、わたしのバイト先のカレーハウスfastへ行くことになった。







「いらっしゃませー…あっ!」
お店に入ると、藤村くんと緋苅くんがいた。

2人に、「お疲れ様です」と挨拶をする。

「あっれ??浪花ちゃん、デート???」
緋苅くんがテーブル席に案内しながらからかってくる。

「ち、ちっがうよ!お友達!」
なんでこう!すぐからかうかね?!
顔が赤くなるからやめてほしい。

すばるさんは口元に少しばかり笑みを含んでやり取りを見ている。

「あーあ。藤村が拗ねるよ〜」
ニヤニヤと藤村くんを振り返る緋苅くん。
藤村くんは顔を赤くしながら眉間にシワを寄せ、睨んでいるようだ。
「ほらぁ、藤村くん、そろそろ怒っちゃうよ」
毎回こんないじり方されるといい加減嫌だと思う。

「藤村!お前がそんなんだから本気にされてないぞ〜」
とまた絡みに行ってる。

「…仲、ええねんな」
声の方を向くと、すばるさんと目が合う。

「うーん、そう、ですかね?緋苅くんとは同い年だし…藤村くんはひとつ下だからかなぁ…」




……

いつも霄ちゃんが利用しているという駅について、少し霄ちゃんと話す。

実家から一緒に帰ってきて、

そしたら、離れたくなくなった。
もう少しだけ、もう少しだけでも一緒におりたなって、
夜やし、飯でも、って思うて焦ったら、

「カレー、食いに行かへん?」
なんて言っていた。



いつも宅配やから、店に食べに行くのは初めてやった。

霄ちゃんはいつもここで制服着て、働いてんねやなーと感じながら、霄ちゃんの後ろについて、店に入る。

すると、霄ちゃんと同い年くらいの野郎共がいた。
ひとりが霄ちゃんを見てすぐに顔を赤くする。

…こいつ、


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