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第6章 誰為、己為


「でもなんで筑前煮のこと…」

「それも、横山くんから!ぜぇーーーーんぶ聞いてるからね!!」

ぜ、全部?!?!

「すばるのこと、ちゃんと考えてくれてありがとうね?」
それまでの明るさとは違う、とても優しい言葉で、妙子さんは言う。

「ほら、あの子、前は今よりずっとやんちゃしてたでしょう?だから、ちゃんと落ち着くか心配やってんけど…霄ちゃんがいるならもう大丈夫ね!」

…まぁ…すばるさんがやんちゃしてたらしいという噂は聞いてましたが…でもわたしがいるから大丈夫って…?

「浪花」

はい?と錦戸さんの方を振り向く

カシャッ

錦「ちゃんと作り方、味、全部覚えろよ。俺が連れてきてやったんやで」
ニッと笑う錦戸さん。

「もちろんです!!」



わたしは、ただのすばるさんのお友達だけど、妙子さんが教えてくれるって言うんだから!
お友達として認められたってことかな!



メモを取りながら、妙子さんの指示に従い、食材を切り、調味料を入れ、火を調節して…とすすめていく。

その間も、錦戸さんは写真を撮ってく。
写真を撮る瞬間、度々妙子さんが気づいて、隣でピースしている。
とても元気な人だ。

ちなみに、時々の味見に、錦戸さんも割り込んでくる。

錦「こら好物にもなりますわぁ!!」
と目をキラキラさせて言う。
妙子さんも嬉しそうに笑う。

とても、素敵な雰囲気をまとった人だなぁ…

どこか、すばるさんと似てる。




一通り作り方を教えてもらうと、たくさん買ってきたから!とわたしひとりで作るのを挑戦してみたり。

何かが違ったりして、なかなかもとの味を完璧に再現するのは難しい。

作ってる間、妙子さんとすばるさんの話をした。

とても息子思いの人だ。
優しい表情をする。

ライヴのDVDで、すばるさんの誕生日に合わせ、横山さんが妙子さんから手紙と筑前煮を預かっていた時。
あの時の手紙の内容、そしてすばるさんの表情。

素敵な親子だなと思う。
外面を気にするわけでもなく、着飾らず。



「なんや霄ちゃんって、えらい話しやすいわぁ〜チャラチャラもしてへんし。最近の子!じゃなくて良かった」
うふふっ!と妙子さんがお茶目に笑う。

笑い顔、すばるさんとそっくり。

「わたし話しやすいですかね?」
聞き上手でも話上手でもないと思う。

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