第5章 友達以上は、何て言うの
…お連れの方…??
「こちらです」と案内された個室はお洒落な襖で閉じられていた。
足元をみると、靴が6足ほど、置かれている。
え、ここ…?もう誰か人いる…お連れの方…
、も し か し て
考えを巡らせていると渋谷さんがその襖を開けた。
ガララッ
!!!
横「おー、やっと来た」
村「何しとったんや」
大「もうお腹ぺこぺこや〜」
丸「若い2人の邪魔したら野暮よぉ~~んふっ」
安「浪花ちゃぁーん!久しぶりやねえ!!」
錦「……。」
「時間には間に合うてるやろ」
渋谷さんが手を握ったまま靴を雑に脱ぎ、敷居を跨ごうとする。
わたしは我に帰り、
「、ちょ、ダメですって」
渋谷さんと繋いでいる方の手をなんとか引き剥がそうと試みる。
「霄ちゃん」
渋谷さんがわたしの名前を呼ぶ。
「い、や、む、むむりです…!」
イヤイヤと首を横にふる。
本当にこれはダメなヤツだ
抵抗してるのに、渋谷さんは全然離そうとしてくれない。
こ、こんなの詐欺だ…!
聞いてない!
いや、聞いてたら来てない!
そこで気づく。
わたしが聞いたら来ないって踏んで、言わなかったってことじゃ…?
錦「…そない嫌なら帰れや」
亮ちゃ、じゃなくて錦戸さんがドスの効いた声で言う。
安「亮はすぐそういうこと言う〜」
丸「浪花ちゃん、周りのこともあるし、とりあえず入ろ?」
安田さんと丸山さんが困ったように宥める。
ぐっ…確かに…
小さく「…はい…」と言い、おずおずと靴を脱ぎ、手を握られたまま敷居を跨ぐ。
するとすぐに渋谷さんが襖を閉める。
「ちょ、この並び何やねん!」
綺麗に、テーブルを挟んで3対3になっている。
奥から、村上さん・大倉さん・安田さん。
その向かい合わせに横山さん・丸山さん・錦戸さん。
丸「やって~…こう座っとかな、しぶやん、浪花ちゃんの隣から離れへんやろぉ〜??」
「そら、そう、やろ?!」
何故か渋谷さんが焦り出す。動きがカクカクしてる。
安「浪花ちゃん、こっち座りぃ~?」
大きな黒縁メガネをかけた安田さんがニコニコと手招きしている。
大「待ってー、ヤスは1回会うてんねやろおー?間に座ってもろおうやぁー」
え、間?!
村「ほな、俺と大倉の間にするか~?」
大「でも隣がゴリラって嫌なんとちゃう~?」
んっふふ、と大倉さんが含み笑いをする。