第5章 友達以上は、何て言うの
9月。
ヤッさんの誕生日も過ぎた頃。
ヤッさんの誕生日には、言っていいか悩んだが
1度会ってるしなぁと思い、渋谷さんに、
『安田さんに誕生日おめでとうございますとお伝えいただけたら幸いです。わたしと、姉からです』と送った。
渋谷さんからは、
『おん、わかった。伝えとく』と返ってきた。
渋谷さんの文は、簡潔的なので、少し感情が読み取りにくい。
でも、その後の会話も、宅配の時も、変わりないので怒ってはないと思う。
ファンとして連絡先知ってるのラッキー♪なんて思ってないから、そう誤解されると困る。
あの、初めての電話から、わたしは胸に秘めるという決意を新たに接しているので、セクハラ発言もなんでも、意識しないようにしている。
そのため、気まずくなったりということが無くなった。
そんなわたしが今悩んでいるのは、
渋谷さんの誕生日プレゼントである。
何がいいのか…
聞いた方が早いけど、こういうことはサプライズでやりたいし…
しかも万が一、聞いたとして、欲しいと言われたものが高価なものだったら…!
学校通いのバイト民ではきついものがある。
欲しいと思ってるものをプレゼントしたいけど!
あと、もうひとつ。
先に聞いておかねばならないこと。
サプライズでしたいが、これだけは聞かなきゃ…
ケータイをタップする。
『9月22日、会えますか?』
出来れば誕生日当日にプレゼントしたい。
一緒にお食事でも、なんて大それたことは言えない。
ただ、せめて、プレゼントだけでも渡せれば…!
「ん?」
ポケットに入れていたケータイが震える。
レコーディングのときは持たないが、休憩に入ったのでポケットに入れていた。
霄ちゃんからや。
『9月22日、会えますか?』
これは
明らかに俺の誕生日に何かしようとしている。
会えますか、か…
さすがに会いたいですとは言わんよなあ…
すかさず、OKの意を送ろうと思ったが、引っかかることが。
「なぁ、22日、俺の友達もひとり、呼んでもええ…?」
同じ空間にいたメンバー全員に向け問いかける。
そう、ヤスの誕生日にも行ったのだが、俺の誕生日にまた集まろうという話を持ちかけられていた。
そのことが引っかかったのだ。