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delivery start【KJ∞】

第5章 友達以上は、何て言うの



これで、また霄ちゃんは、戻ってくれるはずや…

ヨコに、「電話してくる」と言い、違う部屋で霄ちゃんに電話をかけた。

初めての、電話。

自分の中の気づいてしまいそうな、開いてしまいそうな扉を閉じた。

本当の理由を隠して、納得のいきそうな言葉を並べて、
誤魔化した。
霄ちゃんの、ひとつひとつの間に「今何考えてるんやろう」と思いを馳せながら。

霄ちゃんは、俺の言葉にたどたどしくも、
でも普段の喋り方で、俺が霄ちゃんをからかったという、偽物の理由に同意した。

…からかっていると、本当に思ってたのだろうか?
実は、少しは、俺のことを意識してくれていたんじゃないか、

そんな自分勝手な考えが過ぎった。

ええ歳したおっちゃんが、自分のことを…とは思わなかったのだろうか。

「どうしたらええんやろうなぁ…」

扉に寄りかかり、手で、目を覆う。


霄ちゃんは、友達や。
最初だって、
この子面白いなぁ、とか興味が出て、友達になってくれないかと提案した。
だったのに、

話しているうちに、どんどんあの子の魅力に引き込まれていく。

どこにでもおりそうな、普通の、女の子。
育った環境だって、酷いわけじゃなく、金銭面等は置いといて、家族にだって恵まれている。
とても、良い考えの持った両親なのだろうと思う。

普通。

でも、何かが、惹かれる。

コロコロ変わる表情や、

モノの考え方、捉え方、

言葉の選び方、テンポ、


心地いい、雰囲気。

今まで会ってきた女の子とは違う。

普通やと思うてんのに、違う。





歳やって、まるで違う。


やから、「この気持ちは違う。」と否定する。

否定しなくてはいけない。

今の関係が崩れたらどうする?
最近、霄ちゃんに会う前とは違って、世界が変わって見える。

霄ちゃんに癒されてるのかもしらん。



いつか、
言える日が来るのか。


でも、今はまだ、


「閉じとかな、あかん、」









今は、仲のいい、歳の離れた、お友達。





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