第4章 お友達って、
Pipipipi…
「…ん…」
アラーム…?
いつも通り、目をつぶったままケータイを探す。
わたし、設定して寝たっけ…?
寝ぼけ眼で手に当たったケータイを掴みスライドして暗証番号を入れる。
ブブッ
あれ…?押し間違えたかな…
もっかい…
「それ、俺のやで」
ん?渋谷さん…?
いやいや…何言ってるんですか…わたしのですよ…
「いや、もっかい挑戦しようとすなやwロックかかってまうやろ」
掴んでいたケータイの感覚がなくなる。
え…?
慣れてきた目を横に向けると、そこには片肘をついてこっちを向き、寝転ぶ渋谷さんがいた。
「ふはっ
おはよ、霄ちゃん」
…?!?!
んー??!!
バッバッと上半身だけ起き上がって周りを見渡す。
「覚えとらんの?数時間前のことやで~?
こうしてるとなんや事後みたいやなぁ」
とニヤニヤする渋谷さん。
?事後?
事後って??
……
「あ、そっか、わたし泊まったんだ」
ほんとに数時間前のことだ…
それにしても…
「渋谷さんって寝起き良かったんですね?」
低血圧で寝起き悪そうなのに…寝起きドッキリとか見た感じ…
「んー?今日だけなぁ」
となにやらニコニコしている。
今日だけ?
…てことは…
「!
ごめんなさい!やっぱり気ぃ遣わせましたよね?!」
あー!申し訳ない!貴重な渋谷さんのオフ日を…!
「いや、そういう意味やのうて…まぁ、言わんどこ」
??
どういうこと?
「ほな、着ていく服選ぼか」
「ほんとに貸す気ですか…?」
「おん。」
まさか渋谷さんの服を着て登校する日が来るなんて…
「よし、ええな」
「ズボンが、下がります…」
「ベルトもつけるか」
渋谷さんのズボンを貸してもらったは良いが、腰あたりで引っかかるか引っかからないか微妙である。
「ほなこれは?」
穴のないタイプのベルトを差し出される。
「んー…っと…これくらいかな…」
でろーんとあまり部分がでる。
「…結構余るな…」
「…男性用ですもん」
余った部分をズボンに通し、捲っていたシャツの裾を下げる。
上は七分袖のシャツに半袖。
…やっぱり少し大きい…
実はズボンの裾も少し捲り上げている。
「着せられてる感すごいな?」
ハハッと笑い、優しく眉尻を下げる。
「、そうですね」