第4章 お友達って、
………
あかん、全然霄ちゃん、わかってないやん…
俺が言うのも何やけど男は皆狼やねんて…霄ちゃん、わかってないやろ?
明らかにそないなこと考えてなさそうやもんな…
「あ、それで、その日、わたし学校行ってーバイトしてーで、場所がわからないから同い年の子が来てから自転車で行くんですよ~」
もう明らかに楽しみにしている顔をしている。
ん?自転車?
「自転車って宅配の…?」
ブハッと笑って
「そんなわけないじゃないですか!みんながあまりに勧めてくるものだから、奮発してクロスバイク買っちゃったんです!」
「まじか…クロスバイクってあのむっちゃ細いやつやろ?」
「はい!スピード出て楽しいですよ!」
…ええ笑顔やなぁ
「霄ちゃん、スピード狂やってんなぁ」
「スピード狂ってほどではないですけどw」
ん?
待てよ?
俺もその日、ボーリング行けばええんやないか?
「まぁ、楽しみなんですけど一番の悩みは、オールして終わるのが6時とか言ってたから、そこから駅まで自転車で向かってそこから家に帰るってことですかねぇ~寝れないです」
と苦笑してる。
そ れ や
「…ほな自転車でここまで来たらええやん」
…
……
………
…………
「…え?!?!」
どこまで赤くなるんやその顔は
「そしたらすぐ風呂も入れるし寝れるやろ?」
我ながら名案である。
「【お友達】やん?お友達の家にお泊まりするだけやで?」
お友達という単語を出してしまえばこっちのものだ。
霄ちゃんは俺との関係を友達だとしっかり線引きしているようなので【友達=対等】という考えが常にある。
だからこれで断れないはず。
「確かに…友達の家にお泊まりってみんなしてますよね…」
せやろ?
「でもわたし、お友達の家にお泊まりってしたことないです」
顎に手を当て眉をひそめる霄ちゃん。
な、なんやと…
なんて悲しい人生を…
「なっ、悲しくなんかないですよ!お家が大好きなだけです!」
「ひきこもりやん!」
「そ、それは言い方に悪意あります!お家が大好きなんですう!!」
必死に言い返してくる様は可愛い
…可愛い?
いや、まぁ、年下やし可愛いで問題ないか。
なんやモヤッとしたけど。