第8章 あなたと
何か、ひとつでも。
すばるさんと話すものが欲しい。
「それで霄、少し落ち込んでるっていうかなんというか…」
ヤッさんとケーキバイキングで話す。
「なるほどなあ…でもしぶやんが友達やめるなんて言うわけあらへんで?」
「ホントですか!やっぱりそうですよね?!」
「おん。やって、そんなんやったら、浪花ちゃんの写真をロック画面にもホーム画面にも設定してるわけないやん〜?」
ぱく、とケーキを頬張るヤッさん。可愛いなあ!!!
って、
「両方にですか?!」
「おん!筑前煮のときのやって言うてたで?
てか敬語やめてぇやあ!よそよそしい感じしてまうわぁ…」
ぷくぅ〜、と頬を膨らませる。
「え、あ、は…じゃなくて、うん…?」
そう言うと満足そうな笑顔になるヤッさん。
「あっ、そう言えば、当人のしぶやんに頼まれててん!」
んっ!と目を大きくする。
可愛い表情がころころと変わる。
敬語を使わないようにするの、難しい…
「たしか明日、浪花ちゃんの成人式やろ?時間とか教えて欲しいねんて」
教えろ!言うててん、と命令口調で言われたらしい。
「時間…って言われても…私も詳しく知らないからなぁ…会場に向かう頃とか、もろに仕事中だし…」
さすがに休みまでは取れなかった。
「そっか〜」と残念そうにするヤッさん。
、待てよ?
「直接聞けば良くない?」
「いや、それ、おれも言うてんけど、あかんのやって。しぶやん自身が聞くんは。」
あぁ、まぁ、私の予想が当たっていれば、すばやんが直接聞けない理由も何となく分かる。
けど、
「、そうじゃなくてね?
ヤッさんが、霄に聞くの。」
「おれが?……あー!!!!そっか!その手があったわぁー!雫ちゃん、天才!!もしかしてしぶやんもそのつもりで言うたんかな?!もおー、いつも言葉が少し足りんのやからぁ〜」
ガシィィッ、とケーキを食べようとしていた私の手をヤッさんが掴む。
っふぁぁーーー!!
「あ、あの、「ありがとう!!おれが浪花ちゃんに聞いて、それをしぶやんに流したったらええってことやんな?!」
発言をかき消された……