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第8章 あなたと



『来てくれてありがとう』

バスにようやく乗り込めた頃、すばるさんから返信が来た。


『霄ちゃんが来てる思うたらいつもより力入ったわ。友達が来るってええなあ。あの制服、霄ちゃんにいつか着てもらお思ってんねやけど、そんときはすば子よりもスカート短くするからな』


あの制服を着せられる未来が可能性にあるということよりも、

【友達】という言葉に目が行く。
わたしが来てるということで力が入ったという文にも。


特別扱いのようでも、それは、【友達枠】としてのこと。
線引きをされたような、切なさ。でも何との線引きかと聞かれればわたしは答えられない。


けれどそれは、
これは、
わたしの望んだ形でもあるから。
神様にお願いしてまで望んだ形。


友達としてでも、すばるさんの近くに、居れたらって。




ブブッ

『霄ちゃん、休みいつまでや』


休み?
唐突に何だろ??

『13日までですよ』

『ほんならその日までに、マフラーの。寝てる時に俺が霄ちゃんに言うたやつの正解、伝えに行くわ。』


え、


急に、そんな、
わたしまだギブアップしてない。


『前言うた、言いたいこと。発表。それも一緒に言いに行く。まだいつかははっきりとは言わへんけど、休みの間までには。』



言いたいことって…
あぁ、あの、すばるさんが初めて家に来た時、言ってた…。
発表っちゃあ発表っていう。


ま、
まさか


友達やめる、とか?
じゃないよね???
普通、そんなこと改めて言ったりしないよね?
喧嘩してるわけでもないし。
いやでも、あの時、出逢わなかったことにしたくないって、すばるさんも同じ考えだったって分かったけど、でもやっぱりすばるさんは気に病んでて、一般人のわたしまで記者とかそういう問題に巻き込むのが嫌で友達やめようとか?!同等じゃないから友達は無理だみたいな!


や、やだ!


「お姉ちゃん、どうしよう?!」

思わず、隣のお姉ちゃんに言う。

「ど、どうした?!何?!」

驚いてこっちを見る、お姉ちゃんの表情に気づく。


お姉ちゃんも今、ヤッさんとやり取りしてるんだ。

大好きな人と楽しく。
それを、わたしが邪魔するのは、いけない気がする。

「や、ごめん、やっぱ何でもない」

お姉ちゃんから顔を逸らす。



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