第8章 あなたと
「うっわ、列すご〜」
ライヴが終わり、いつも使っている駅までのバスの出るところへ向かうとすごい列が待っていた。
「今のうち各々メッセージ送りますか」
お姉ちゃんの提案でそれぞれケータイを取り出す。
あぁ!どうしよう?!
言いたいこと多すぎて何から送ったらいいのか…
とりあえず、お疲れ様です、かな?
「しぶやん、見つけた?」
ライヴが終わり、シャワーに向かおうとすると、マルが横に並ぶ。
「おん。見つけれた」
「はらぁ〜〜むっちゃええ笑顔やで!」
パタパタと足音が聞こえる。
「おれも雫ちゃん見つけたでー!横に並んでたなぁ!」
ぴょん、とヤスも横に並ぶ。
「雫って?」
俺を挟んでマルがヤスの方へ身を乗り出す。
「浪花ちゃんのお姉ちゃん♪」
「ヤスは場所聞いてたん?」
「おん!横に浪花ちゃんがおることも知ってたで〜」
「色違いのパーカー着てたな」
霄ちゃんが俺の色を着てた。
ええわぁ…
「はよシャワー浴びてこな!メッセージ来てる気がする!!」
わぁー!とヤスが走り出す。
「おまっ、ライヴ後っちゅーのに元気やな?!」
去年まではシャワーだってゆっくりやったけど、
今年はゆっくりなんかしてられへん。
結局、いろいろハチャメチャな文を沢山送った。
キャンじゃにのことはもちろん(すば子足綺麗すぎるとか女の子より可愛すぎるとか)、ダンスのことだとか、バンド演奏だとか。
あと
歌ってるすばるさんが、いちばんかっこいいってこと。
好きです、って打ちそうになったけど
なんか自分的にそれは告白にもなってしまいそうでその言葉は避けた。
「ステージは全然見えなかったけど、いい経験というかなんというかね、」
先にメッセージを送り終えたお姉ちゃんが言う。
「そうだねぇ…あそこまでの端っこは初めてだったねw」
でもおかげであのトロッコの近さだった。
みんな真ん前を通ったし、気球も目の前で止まって手を振ったりとかできたし。
ヤッさんもすばるさんより近くに降りたし(ピック貰えなかったー!ってお姉ちゃん悔しがってたけど…)
すごく楽しかった。
毎年、「明日からまた頑張ろう」って気持ちにしてくれる。