• テキストサイズ

delivery start【KJ∞】

第8章 あなたと


「あ、でもほら、トロッコとか来た時、真ん前じゃん。」

眼前に広がる空間を指さす。

ステージから向かって右というのかな。そこの端であるここ。


姉「…そうだけど…ステージ、全然見れないのはつらいな…」

確かに。
メンバーが使うであろうスペースは全然見えない。
むしろ柱でかなりの閉ざされ度。

「ここの位置はあれだね、オーケストラさん好きになりそう。」

よく見えるのオーケストラさんくらい。

そうね、と小さく同意をするお姉ちゃん。



でも、チケット当たっただけでもラッキーだもん。
そうそう、わがまま言ってられない。















「たっちょんんんんんん!!!!!」

ライヴが始まり、トロッコが走り出すと、
後ろの方からたっちょんが乗ってるトロッコが回ってきて、予想通り、目の前の広い空間を通る。

わー!と手を振ると、
「あっ!」という顔をして指をさしてくる。
マイクを通さなかったので、周りの歓声で直接は聞こえなかったが、指を指したまま、確実に「浪花ちゃんや」と言っていた。

その後に通ったよこちょも、「浪花ちゃん」と口パクで言って、手を振ってくれた。
とりあえずわたしはその振ってくれた手の美しさに見とれていたけど…



戻るトロッコも無くなり、ほとんどのメンバーがメインステージの方に集まったので、真ん中は見えなくとも、そちらの方を向く。
(誰もいない空間に向かってペンライトふるのもおかしいし?)
少し顔を上に向け、スクリーンを見るとすばやんが映る。
心なしか、きょろきょろしているように見えなくもない。



「あっ!ねぇ!」
とお姉ちゃんが急いでこっちを向く。


「すばやん、こっち向かってる!」

うそ!と思い、唯一見えているステージの部分に目を向けると、確かに、すばやんが。
eighterひとりひとりを見るようにしながら歩いてくる。


こ、

これは、


見つけて、とでも言うようにアピールするべき?


あぁ、でも、


悩みながらも、すばやんが、

すばるさんが、ステージの一番端に、わたしたちのところから唯一よく見えるその場に立った時、


毎年しているにぎにぎダブルピースを、してみた。


関ジャニ∞である、すばやんに。


友達である、すばるさんに。






その瞬間、

すばるさんの動きが止まった。







/ 189ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp