第8章 あなたと
「霄はありえるかもしんないけど私はないからね?!連絡取り合い始めたばっかだし、全然そんな感じじゃないし!!」
「ちょおおおおーい!何言ってらっしゃるのお姉ちゃん!わたしもないよ?!」
「ないわけないでしょお?!筑前煮まで教えて貰ってる奴が何言ってんのよ!」
「そ、それは」
思わぬアクシデントと言いますか…なんと言いますか…
「よし、じゃあ、すばるさんか誰かに聞こう。」
「雫のことどう思ってますか聞いて!みたいな?」
ミーハーのお母さんが次はこっちに顔を向ける。
「うん。すばるさん…は下手そう、かな?」
一番連絡取り合ってるから聞きやすいのは聞きやすいんだろうけど。すばるさんはストレートに聞いちゃいそう。話の流れとか関係なしに。
「たっちょんとか?」
「やめてえ!!!しないでそんなことお!」
お姉ちゃんが騒ぎ出す。
よし、大倉さんかな!丸山さんもいいかな?
大倉さんの方が安田さんの近くにいそうだけど、
寝てそう。
いや、ライヴ終わったあとだから速攻で寝てるなんてことないとは思うけど…
「おろ?」
ケータイを見ると浪花ちゃんからだった。
前、俺にメッセージくれんとか言うたからかな?と思いつつ中を見てみると、
『ライヴ、お疲れ様です!
あの、突然なんですか、さりげなーーーーく、安田さんにお姉ちゃんのことどう思ってるか聞いてもらえたり…しますか?』
えぇ…
そんなことお〜?
橋渡しみたいな…
あー、そっか〜お姉ちゃん、ヤスのこと好きやってんなぁ…
ほんで去年の浪花ちゃん落とされ事件から連絡取り合うようになったんやったなあ
てかほんまにお友達みたいやん?こういうやりとり。パシリ感拭えへんけど。
たっちょんが一肌脱いだろ!
「ヤス〜?浪花ちゃんのお姉ちゃんってどんな子なーん?」
「ん?ええ子やで!さすが浪花ちゃんのお姉ちゃんって感じ」
んふふー、と笑うヤス。
「でもなんで?急に。」
はて?と首を傾げる。
「んー?浪花ちゃんのお姉ちゃん、会うたことも話したこともないから気になってん〜」
「ほへぇ〜…あ!でもまだ紹介はしたらんで!」
「は?なしてや」
いつも見て見て〜!聞いて聞いて〜!言うやん。