第8章 あなたと
思わず、他のジャニーズメンバーがいるというのに文面で笑ってしまった。
バイトのセミファイナルって…w
俺もまだ話したいけど今からまた飲みに行くしなぁ…
残念な気持ちを抱えながら
『おん、セミファイナル、頑張ってや。
おやすみ』
と送った。
「まーーたすばるくん、にやにやしてるわぁ」
と、横を通りすがった亮が言う。
「それを見て亮ちゃんもにやにやしてはるやーーーん」
とまたその横からマルがくる。
「すばる、初詣、恋愛成就祈願行くか?」
とヨコが聞いてくる。
んなもん、
「行く」
即答やん〜、と笑われても気にしない。
霄ちゃんの心まで
一直線で行きたい。
「おはよーあけおめ〜」
「あけおめ〜正月からバイトいぇーーーい」
緋刈くんとローテンションでハイタッチをする。
「浪花ちゃん、新年の抱負は〜?」
「はい、職につきまーす」
卒業するからね。
「ニートになっちゃうもんね」
笑いながら緋刈くんは言うけど、全然笑い事じゃない。
「いいなぁ〜15時までで終わりかよお」
カウンターに肘をついて顎を置く緋刈くん。
「ごめんねぇ〜」
パパッと制服の上からパーカーを着て帰りの支度を済ます。
「じゃ、おつかれ!また明日ね!」
「明日で最後かー
おつかれ〜」
店を出て駅へ向かう。
電話が鳴る。
!
すばるさんだ!
「もしもし!」
『なんや元気やなあ?』
すばるさんの笑う声がする。
「ふふ〜そりゃあ元気にもなります!」
だってバイト終わりに、
新年、最初の1日にすばるさんから電話!
生声聴けるんだもん。
『ん〜?なして?』
「や、それはまぁ、言えないですけど…」
言ったら告白も同然な気がする。
なんやそれ〜、と電話の向こうで笑う声が聞こえる。
その際の呼吸が微かに耳に届き、くすぐったく思う。
「すばるさんはお休みなんですか?今日は。」
『んー休みって訳とちゃうけど…セミファイナルって言うてたからなー』
「はい!セミファイナル、今さっき終わりました」
『そうか〜…残念やなぁ、最後に宅配出来へんで。』
「あ、確かにそうですね…代わりに筑前煮作りに行きましょうか?」
冗談で言ってみた。