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第7章 隠しきれない。




夢を、見た



すばるさんが、わたしの名前を呼んで、

優しく抱きしめてくれる。


そんな夢。


ふわり、とすばるさんの香りに包まれる。



あぁ、幸せだなぁ、って。







高校の頃の古典の授業で聞いたことがある。


「異性が夢に出てきたとき、その出てきた異性は、あなたのことを想っている」という話。



昔の人は思い込みが激しかったから。

でも今は違う。

寝てる時に見る夢は、その日の出来事とかを脳が整理してるんだって。



だから、
この夢は、
わたしの作り物。






「…ん」

夢だと気づいて目を開くと視界が遮られていた。

目を開いたのに、何も情報が入ってこない。
何かで遮られている、ということ以外は。


もぞり、と動く。



う、ん?
どう起きればいいの??
なんか、覆いかぶさってるというか…

と、気づいた。


自分が枕にしていたものに。



膝。
感覚的にこれは胡坐を少し崩したような姿勢かな…?


端にテーブルの脚のような物も捉える。


じゃあ、この、わたしの上に覆いかぶさっているのは、




膝の持ち主の、





「す、ばる、さん?」


わたしの声にビクッ、と反応し
わずかに「う、んん」と返事をして上体を起こす。

「ん…起きた?」と寝ぼけ眼でわたしを見る。


こ、この、アングルは…!


まだ膝枕をしてもらっている状態なので
わたしからしたら上からすばるさんに顔をのぞきこまれているような状態。


や、やばい



「す、すみません!!!」

と大急ぎで頭を膝から退かす。


瞬間、
ぐわん、と頭痛がする。

「うっ、」


「そないに勢いよう起きたらそらそうなるわ」

ははっ、と柔らかく笑うすばるさん。

寝起きでも胸はすぐにきゅん、と鳴る



、じゃないよ!!


「ごごごごめんなさい!!!寝ちゃったのもお膝借りてたのも!!!」

深々とその場で頭を床につく。

はっ!

ついた際に自分に毛布がかけられていたことに気づく。

「毛布まで!!ほんとにごめんなさい!!!」


「いや、それくらいで謝らんといてや。俺がそのまま寝かしといたかったからしたんやから。ごめんよりありがとうの方が嬉しいんやけど?」

すばるさんがテーブルに片肘をついて手に顎を載せ、目尻にシワを刻む。





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