第2章 非日常…?
どきどきしながらインターフォンを押す。
いやいや、宅配に来ただけじゃん!どきどきする意味!!
でも宅配先が芸能人の家ですよ?
嫌でも緊張するっちゅーねん!
「すいませーん、カレーハウスfastでーす」
『お、』
昨日と同じと気づいたのか、短く返事をしてドアを開けてくれる。
わたしも昨日と同じく、エレベーターに乗り込み8階のボタンを押す。
ピンポーン…
ガチャッ
昨日とは違ってすぐに玄関のドアを開けてくれる。
「お待たせしました〜、こちらお先に商品です」
「浪花さんやん?」
覚えたと言わんばかりに微笑むすばやん…
可愛すぎか。
「、浪花さんです…」
お金をもらいお釣りを渡していると
「…下の名前、」
「はい??」
「下の名前、なんて言うん?」
「霄、ですけど…?」
なんで急に下の名前…??
「霄ちゃんな」
!!
ちゃん付け!!
録音したい…!!
まさかすばやんに下の名前を呼ばれるとは…!!!ふぁ!!
「…なんか…下の名前で呼ばれるの、新鮮です…」
「へ?なして」
「結構最近は家族以外には呼ばれないので…先生がときどき呼んでくるくらいで…」
なんでこんな話をしてるんだろうと自分でも思ったけど
多分「話したい」という気持ちの表れなんだろう。
「ほ〜ん…」
すばやんは少し考えるようにして、
「ほな、俺が呼んでもええ?」
と爆弾を落とした。