第2章 非日常…?
そして今日もバイト。
今日は井浦くんやったかなー。
「おはようございまーす。って、あれ?
今日は野森さんでしたっけ?」
「んー、違ったけど急遽ねー!
久しぶり、浪花ちゃん!」
「ひさしぶりです〜」
野森さんとは、わたしがこのバイトに入った頃、教育係としていろいろ教えてくれた人だ。
とても面白い人で、歳も少ししか離れておらず、フレンドリーに接してくれる。
井浦くんや緋苅くんと仲が良く、よく、仕事終わりにいろんなところに遊びに行っている。
わたしも誘われるのだけれどみんなと違って自転車ではなくバスと電車なので毎回断っている。
いつか行けたらなぁ…。
「おーす、おはよー」
バイト着に着替え、ゆっくりしていると井浦くんがやってきた。
「おはよー、今日は野森さんだよー」
井浦くんや緋苅くんはお店には寄らず、そのまま自転車で店の隣の隣の建物の一階に入っているこの控え室にやってくるので、
今日の責任者が誰かという会話をよく交わす。
あ、今日、やっぱり井浦くんだったってことはわたしが宅配行ける…!
別にこれは昨日の今日でまたすばやんに会えるかも!
という下心ではなく、単純に宅配が楽しいのだ。
自転車だから大変だというのは認めるけど、その分、バイト中に息抜きみたいに外の空気が吸えるし、宅配先のお客さんの人間観察や、おしゃべりもなかなか楽しいのである。