第6章 誰為、己為
お姉さんから新しくメッセージがくる。
「…普段から浪花ちゃん、立ちくらみとか貧血気味やったんやって。でも確実に腕掴まれたって。
ほんで、今は頭打ったのと疲労で寝かしてるて。」
丸「しぶやんと写ってたか聞いてきたって…
まさかeighterやないよね…?」
しぶやんがビクッと肩を揺らす。
「…聞いてみる」
eighterを信じようって言うたばかりやのに…
「それはわからないらしいけど、
でも普段から浪花ちゃんと仲良うなかったらしい。
二重人格でみんなには表、浪花ちゃんにだけ裏の性格悪い部分見せてたって」
錦「元からそういうことするような奴やったってことやろ?
eighterやないで、そんな奴!」
亮が声を荒らげる。
ダンッ
気づいたらテーブルに拳を叩きつけていた。
安「しぶやん…?」
何が、許しが出た、だ。
横「すばる、だれも悪ないで」
「んなわけないやろ。
俺が霄ちゃんと友達になったから、
それ以上の感情も持ったから、
こんなことになってんねやろ!
綺麗事言うてんなや!!」
ヨコがそんなつもりないのはわかってる。
けど止められない。
「俺のせいやんか!
全部、全部や」
村「すばる、ヨコは」
横「ほな…
浪花ちゃんと、会わへん方が良かったって思うん?」
「そ、れは」
横「全部、すばるが浪花ちゃんのこと、
友達以上やって想ったからなんやろ?
そんなん、出逢わんやったら思わへんかったやんな。
ほな、
出逢わへんかったら
良かったんやろ?
なかったことにしたらええってことやろ?」
霄ちゃんに、興味が沸かなかったら。
霄ちゃんと出逢わなかったら。
何歳も離れた女の子。
知れば知るほど、好きになる。
話すテンポ、
考え方、捉え方、
纏う空気、
あの子の全てを好きになった。
霄ちゃんと過ごした時間
交わした会話
全てが頭に次々と浮かぶ。
「でけへん」
「出逢わへんかったことになんか
でけへん。
なかったことになんか、しとないわ…!」
目頭が熱くなる。
じわりと視界が歪む。