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第6章 誰為、己為


「おん。
確実に、とは言えへんけど。
友達やって言うてもええかも知らんけど…
それでいろいろ質問されても困るやろ?」

『そうですね…
なんとか誤魔化したりしてみます。』


「おぉ、気張りや。
すばるには『絶対言わないでください!!』


悲鳴にも似た声音で言う。

『何も、すばるさんには言わないでください…
出来れば電話で話したことも…。』


『あっ、すばるさん、お変わりありませんか??
周りでなんかあったとか…』


一般人の自分の方が風当たりが強くなるかも知らんのに
こんな時まですばるの心配しとんのか。

ほんま、ええ子見つけたな、すばる?


「大丈夫や。
強いて言うなら、
また少し髪が伸びたくらいやな。」


ふふっ髪ですか?
なんて笑ったようなのでひとまず安心し、
そこで、電話を終了させた。










良かった…
すばるさんには何も起きてない…。

スタジオとかだから記者と接触する場所も限りがあるのかもしれない。



対処の仕方については、今回のやり方を村上さんに褒めてもらえたので、一安心。

あの人の言葉は全部が力強いというか…
誰よりもズバアッとしてる。

さすが大御所にもツッコミをばんばん入れる人だ








あとは…
ほとぼりが冷めるのを待つだけかな…?






わたしの考えは、

少しばかり甘かった。














「浪花さんって、
渋谷すばると写真写ってたよね?」



数日後、同期の何故かわたしのことだけを嫌ってる人が
話しかけてきた。


まぁ、嫌われてるなーと気づいた時から
わたしもこの人のいちいち行動がうるさいところとか嫌いになっちゃったけど。

つまり、今まで水面下での犬猿の仲ってのをしてきた、みたいな。

友達はこの人の二重人格っぷりに気づいてないらしいけど。


めんどくさいやつに話しかけられたなあ…

しかも、
すばるさんの言う、
"信頼できる"人に含まれない。


「写ってたかって聞いてんだけど?
答えろよ」

はい、でました。
わたしのときだけの言葉遣い。

普段はどんな相手でも猫なで声(猫大好きだからこの言い方好きじゃないけど)で話すくせに、
わたしのときだけ地声でイキがってるような話し方になる。


わたしが無言でいるのが気に食わないようだ。




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