• テキストサイズ

delivery start【KJ∞】

第6章 誰為、己為



にしても…

『すばるには言うたか?』

すぐに返信がきた。

『言ってないです』

は?
すばるに言うてないことをなして俺にや?


電話の方が早いと思い、
すぐに浪花の電話番号までスクロールさせる。


Prrrr

『もしも「なしてすばるに言うてへんのや!」


『え、あ、えっと…すばるさん、心配性みたいだから…』

「そら、」

好きな子のことには敏感になるやろ、
と言いたいところだが
ここで俺がばらすわけにもいかへん。

「と、友達がこんなことなったら心配するやろ」


『…そうかもしれないですけど…
あっ、村上さん、今大丈夫なんですか??』

「おん、もう帰るだけやから」

『本当ですか?
なら、ちょっと相談したいことが…』

「おぉ、対処やろ?」

『はい…』

「今日は回避したってどうやったん」

『あ、はい。
すばるさんとの関係を詳しくということと、
浪花霄かって聞かれて、
すばるさんとの関係については
「質問の意味がわかりません」って答えました。
浪花霄かっていうことについては、
何故、浪花霄だと言うのかわからないって感じで答えました。』

ほー…
一応冷静に対応してはおるんやな。
ここで逆に「はあ?」だの、粗末な対応してもしつこく着いてこられることもある。

『あっ、それで、ケータイ出しました』

「助け呼ぶつもりやったん?」

『いえ、
わたしが浪花霄だって突き止めたってことは、お店から着いてきてたのかなーって思って、
少しでもそのことを話してきたら証拠になるかもって…』

「録音でもってことか?」

『そうです!
さすが汲み取り上手村上様です!!
ありがとうございます助かります』

浪花の声が先程までより明るくなる。

「言うてる場合かいな…
でも、ええ対応やったと思うで?
初めての割にはようやったで。」


抜けてるように見えてもなかなか頭が回る方なんかも知らん。

…すばるのことに気付かんくらいの鈍ちんではあるみたいやけど。


「まぁ…今、すばると会うてへんねやろ?」

『、はい…』

こっちまで寂しくなるような落ち込みだ。

「ほなら、エスカレートすることもないとは思うで。」

『ほんとですか?!』


/ 189ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp