第2章 非日常…?
「あ、あの、実は…」
ん?と首をかしげる渋谷さん。
ぐ、かわ、かわいい…
「関ジャニ∞のおかげで、この浪花っていう苗字、好きになれたんです…」
「…え?」
「っあ!!!!!!!!」
なんで?
って聞こうとしてきた渋谷さんの声を遮って大声を出してしまった。
「な、何…」
「すいません!まだバイト中なんで!
次の宅配が入ってるかもしれないんで!!これで失礼します!ありがとうございました!またのご利用お待ちしております!!しつれいしました!!!!」
と早口でまくし立て、一礼して素早くエレベーターに向かう。
「…なんや面白い子やったなぁ…」
という渋谷さんの声には気づく事は無かった。
わたしは火照る顔を扇ぎながら一直線に自転車を止めていた場所に向かい、ガチャガチャと言わせながら急いで自転車を店へと走らせた。
「た、ただいま戻りましたー!」
と店に戻ると、
「遠かった?」
と緋苅くんが尋ねてきた。
「い、いや、近いほうだったよ…!学校の近くだった!」
そう、なんと学校の近くだった。わたしの通っている…
まさかあんな身近にいるなんて…!
思いもよらない出来事に胸を鳴らしながら、
その日のバイトをこなしたのだった…。
バイトは21時に終わり、そこから着替えて、電車に乗り、バスに乗って、バス停から2~3分ほどで我が家につく。