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delivery start【KJ∞】

第6章 誰為、己為


『…迷惑なこと、しといて何ですけど…今まで通りに、接してもらえますか…?』


正直、

許せない。


わたしのことはいい。

すばるさんに迷惑がかかったこと、すばるさんのプライベートが邪魔されることになったこと。

そこが許せない。


「…うん。でも、わたし、藤村くんを一生許せないかもしれない。」

『…はい』


そこで電話を切った。

あまり、話すとひどい言葉を言ってしまいそうだった。




……



「すばる」




「ん、おぉ、」

ヨコの呼びかけに1テンポ遅れる。

「もうずっとその調子やん」

ヨコが苦笑いする。

「…おん」

どうしても霄ちゃんのことを考えてしまう。

大丈夫やろか。

何も言われたりしてへんやろか。

「心配やのは分かるけど…今は隙を見せへんようせなやで」

「…わかっとる」



何かあっても、ちゃんと言うてくれたらええけど…

「なぁ、いっそのこと、好きや言うたら?」

「言えたら苦労せんわ………


って、はっ?!?!」

はっ?!俺言うたっけ?
いや、言うたっけってなんやねん!

この想いは、

俺の中だけに、

それもずっと奥に閉じ込めるって…!

「あれで隠してたつもりなん」
ヨコが喉で笑う。

ガタンッ

「ど、どういうことやねん!」

「立ちなや。今更もう隠すことでもないやろ。俺らの中では。」

「…筒抜けやなぁ…」

こいつらにはなーんも隠せへん気ぃしてきたわ…









うーーーーーーん…

話すべき?

話さざるべき??

まぁ、ほら!わたしから藤村くんに話をしたわけじゃないし!向こうから来たわけだし!

一応、向こうからこんなこと言ってきましたーって…




だめじゃん。

どう話したらいい?

軽率な行動しました、わたしのことが好きだった?

わたしのこと好きだった…って…関係、あるの?

よし。

軽率な行動したって反省してましたって言おう!


…メッセージに、しようかな



『電話、かけてくれんのん?』


ほぁっ!!



お、思い出しちゃった…!

っこれは電話で話せっていう思し召し??

いやでもわたしと生活リズム違うし…

今お仕事中かも…

やっぱメッセージ?








でも


すばるさんの声、聞きたい…


わたしは発信ボタンに、指をかけた

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