第6章 誰為、己為
「だって…この投稿で、記者の人たちは動き出すでしょ?特定されたら話とか聞きに来るんじゃない?そうなったら1人の時とかを狙いそうだし…」
確かに、三河の言う通りかも…
「それに、ファンの人も妬みとかで襲ってくるかもよ?」
襲ってくる…?
「でもeighterに限って…」
関ジャニ∞のファンは、eighterは、メンバーのこと、ちゃんと考えてるはず。他のグループのファンより…
「そうとも限んないんじゃないの?たくさんいるんだから数人くらいは絶対いるもんでしょ。みんながみんな浪花みたいな考え方をしてる訳じゃないし、つい最近eighterになった人とかさ」
…大体、三河が言わんとしてることは分かった。
「…うん。気をつける…」
三河とは同じ電車なのだが、私の方が先に降りる。
一応、あの日着てた服は一時の間、着ないようにしとこうかな…
あまり、そんなことしても意味ないかもしれないけど…
あっ、バイトの子達にも事情話してた方がいいのかな…
あそこで女の子って言ったらわたしの年下の村田ちゃんしかいないから…歳がわかる前は村田ちゃんにも迷惑かかっちゃうかな…?
信頼…はしてるからなぁ…
まぁ、そう言っても藤村くんには裏切られた気がしてるけど…
あっー!そうだった!藤村くん!!話さなきゃ!
そう思い、某連絡アプリを開いた瞬間、その当人からきた。
『浪花先輩、すみません…』
…ってことは…自分がしたことがわかってるのかな…?
『なんでSNSに書き込んだの。しかも写真付きで。』
反省してるのかもと思いつつ、それでも普段のように絵文字や顔文字を使う気にはなれなかった。
『ほんとに軽い気持ちでしてしまいました。ごめんなさい。でも、あの人と先輩じゃ、釣り合わないです』
頭を、殴られた気がした。
つ り あ わ な い
芸能人と
一般の、しかも才女でも美女でもない、普通の、もしかしたらそれ以下の、20歳にもなってない女の子。
自分でも分かってた。
いくら歳が離れてると言っても、それでも、友達にはなれたしって。
想いを伝えれなくても、友達にだけは…
でもそれ以前の問題だった。
わたしと、すばるさんは、住んでる世界が違ったんだから。