第6章 誰為、己為
「おん。俺は大丈夫や。」
俺のおるこの業界じゃあよくあることやし。やから、他の芸能人も気に止めんけど、霄ちゃんのおるとこはちゃう。
芸能人と関わりがあるってだけであることないこと騒ぎ出す奴が隣り合わせやって思ってええ。
俺が守る。
守れたら、ええんやけど…
「ごめんな、近くにおれんで」
『っ、だ、大丈夫ですって!悪いことはしてません!』
俺に心配かけへんよう、無理はしてへんやろか…
「…ほんでな?多分まだ報道まではいかへんと思うねやけど…次、撮られたらすぐ報道されるやろうから…。しばらく会わんどこな…?」
『…そ、ですね…そうですよね…あ、じゃあ宅配もだめですね…』
霄ちゃんが残念そうに言う。
…自惚れてもええんかな…
「せやな~…宅配もだめやなぁ…夕飯どないしよ」
雰囲気を少しでも変えようと、わざと、今似つかわしくない声で言う。
クスクスと霄ちゃんが小さく笑うのが聞こえた。
『そんな…毎日頼んでるわけじゃないでしょう?ふふっ…』
「ほな…今日からはいっとき、電話とかで我慢やな」
正直、霄ちゃんに会われへんのはキツイ。
けど、嫌な目には遭わせたくない。
『…電話、してくれるんですか?』
少し驚くように言う。
「ん?霄ちゃんは電話すらかけてくれへんのん?」
恨めしげに言うてみる。
『へっ?!いや!かっ、かけます!』
霄ちゃんが慌てる。
「ん。ほな、な」
『はいっ!』
電話を切った。
と、
周りのことを忘れてた…!
案の定、ニヤニヤした顔で俺を見ている顔が6つ…
大「もお〜~〜すばるくーーーーんーーー」
丸「ベタ惚れですやん〜〜」
錦「むっちゃええ顔しとんでw」
村「すばるもついに落ち着くかぁ」
安「いやぁ〜、良かったなぁ」
横「俺の企みのせいもあるけど…ええことした気になるわぁ〜w」
「な、なんやねん!見んなやッッ」
うおおおおおおっとヒナめがけて飛び込んだ____
……
良かった…すばるさんのとこもまだ起きてないみたい…。
これが初めてだから、まだ報道しないってことなのかな…。
「三河、さっきの、帰りに話すね」
元の階に戻り、三河に言う。
「う、ん。」