第6章 誰為、己為
丸「あいつって?しぶやん、心当たりあるん?」
眉を下げながらマルが聞いてくる。
「おん。昨日、こっちに帰ってきてから霄ちゃんのバイト先で飯食ってん。そん時、霄ちゃんと同い年の男といっこ下の男がおってん。ほんで…どうもそのいっこ下の方が霄ちゃんのこと好きみたいでな。」
多分、あの表情からして、好きなんは間違いない。
村「それなら、『先輩が』っていうのにも当てはまるやんな」
神妙な面持ちで言ったヒナに頷く。
安「まぁ、それはそうとして…浪花ちゃん、大丈夫なんやろか?」
大「すばるくん、電話してみたら??」
大倉の提案によって、
霄ちゃんに電話をかけることにした_______
Prrrr…
「っ、ごめん、ちょっと待って、」
三河に断りを入れて電話に出る。
すばるさんからだ。
「、もしもし…」
『霄ちゃん?今、大丈夫か』
「あ、はい、ちょっと待ってくださいね…」
急いでこの時間、あまり人が来ない階に移動する。
「大丈夫です」
『…あ、のさ、SNSの…』
!
「すばるさんも…見たんですね?」
すばるさんが息を飲んだのがわかった。
『ごめんな、俺のせいで…』
「ま、待ってください…!別にすばるさんのせいじゃないです!あれは、藤村くんが…」
『おん。でも、俺が自分の職業忘れてたのが…考えてなかったんが悪いんや』
すばるさんの声が、しぼむ。
「そんな…」
『霄ちゃんは…何も周りで起きてへん?』
「あ、えっと…わたし、友達にその、投稿のこと、教えてもらったんです…。それで…これ、浪花じゃないかって…」
こんなこと言ったら、すばるさんが余計困るんじゃないかと思ったけど、言わないとすばるさんにいらない心配させてしまう気がして…。すばるさん、心配性だから…。
『それ、信頼してる友達?』
「あ、はい。一番仲いい友達です…。」
『ほうか…霄ちゃんが信頼できる友達なら俺との関係、ちゃんと説明したってや。変に濁すよりそっちのがええ』
…俺との関係って言われると、友達以外の関係にとってしまうわたしは最悪だわ…
「…わかりました…すばるさんは、大丈夫ですか??」