第2章 真実。
「さ、帰ろっか」
「早く食べてみたい!」
「ちゃんと後で吐き出さなきゃ駄目だよ?」
「わかってるって♪」
「ただいま!!」
「おかえり渚、今日は何の練習かな?」
「今日はおかゆとからあげだよ!」
私達はお母さんとお父さんの3人暮らし。
お母さんもお父さんも優しくて大好き。
「からあげ!?
食べれるのか?」
「頑張るもん!」
せっかくおばさんがくれたんだもん、頑張る。
「おかえり。
渚が持ってる唐揚げって・・・」
「どうやら私がレジやってる間に貰ったらしいのよ。
せっかくだから唐揚げもチャレンジするって。」
「そうだったのか」
お父さん凄くびっくりしてる。
そんなにからあげって不味いのかな?
「うええぇぇぇ・・・」
何このぐちょぐちょ。
油一杯だし、汁が凄い出てくる。
「あーあ。ほらタオル。
だから食べれるのか聞いたのになぁ」
笑いながらタオルを渡してくるお父さん。
確かにこれは不味い。
でも無駄にしたくない。
「はむっ!」
「お、おい!
それはやばいんじゃ・・・」
ちょっとずつ食べてたら減らないから一口で食べたらありえない程の吐き気が。
「ほら吐き出して!病気になっちゃうぞ」
「うん・・・」
人間はこんなぐちょぐちょしたものを美味しい美味しいって食べてるのか。
変わってるな、人間。
「凄いぞ渚!
ちゃんと口に入れて噛めたな!」
え・・・?
お父さんが私の肩をがしっと掴み頭を撫でまくってきた。
「唐揚げがこんなに粉々になってる。
こんなに噛んで味一杯出てきて不味かったろ?
お父さんでもこんなに無理だ。
さすがお父さんの娘だな!」
お父さんでもこんな食べれないのを私は食べれたの?
「どう?食べれた?」
お母さんが洗濯物を洗い終わって私達のいる部屋に戻ってきた。
「聞いてくれよ!こんなに粉々に噛めたんだぞ!
良くやった渚!!」
こんなに喜ぶなんて、お父さんも子供だなぁ。
でもすっごく嬉しい。
頑張ったかいあるな。
「凄いじゃない渚。
この調子で頑張ろうね!」
お母さんも私を抱き締めて褒めてくれた。
こんなに褒められるならもっと頑張ろ。
おばさんがくれたから頑張れたんだけどね。
ありがとう、おばさん。