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【東京喰種】Repeat

第2章 真実。


「お母さん、今日は何の練習?」
「今日はね、お米を食べるふりをする練習よ。
 その為にお米買いに行こうね」
「うん!」
喰種は人肉とコーヒーしか口に出来ない。
それ以外はとても不味すぎて吐いてしまう。
でも人間の世界で生きて行くには食べないと怪しまれちゃうから頑張って特訓中。
昨日はピザっていうので練習したんだけどとろとろしたものが舌の上を這って吐き出してしまった。
だから今回は簡単には喉を通るおかゆってので練習。
あまり人目につかないようにしないといけないけど家にそんなものないからお買い物に行くの。

「1000円になります」
これがお金かぁ。
普段目にしないものが一杯あるから私はお買い物が好き。
「あら、随分痩せこけすぎじゃないの?」
「え?」
いきなり見知らぬおばさんに話しかけられた。
人間とは出来る限り接しちゃ駄目だけどここで逃げたら怪しまれちゃうよね。
「私は大丈夫だよ!」
「そう?でもまだ若いんだからしっかり食べなきゃ。
 これあげるから食べて一杯大きくなりなさい」
そう言いおばさんは私の手の上に何か茶色いものを置いてきた。
「じゃあおばちゃんは行くね。
 元気に育つのよ!」
「ありがとう、おばちゃん!」
私、人間と喋れた・・・。
初めて話した。
なんだかぽかぽかしてきた。
へへっ、何か嬉しい。
「いたっ・・・!渚、探したのよ
 一体どこに・・・それは?」
「おばさんに貰ったんだ。
 なんだろこれ」
「唐揚げって書いてあるね
 これも食事の練習に使わせてもらえるね」
「うんっ!」
からあげっていうんだ。
大きい。
それにすっごく良い臭いがする。
あとわかった事がある。
「ねぇお母さん」
「ん?」
「人間って、優しいんだね」
お母さんは優しく微笑み、そうだねって返した。
人間は怖い人だと思ってた。
平気で私達喰種を殺したり捕まえようとする。
今までに私のお友達も殺されちゃった事がある。
その時は物心ついてなかったからそこまで悲しくなかった。
けど、今となっては人間が怖い。
でもおばさんみたいな優しい人もいる。
皆が皆酷い訳じゃないんだ。
凄く優しい人もいる。
それを知れた事が凄く嬉しくて。
色んな喰種に教えてあげたくなった。
皆怖い人間だけじゃないんだよって。
それで人間も喰種も仲良く暮らせたら良いのに。
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