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「好きじゃない。」*嵐*

第5章 予選*(本気宮)


*







“55番。”





「ほら、行くよ。」


『うん…』




二宮さんはまだ不安でいっぱいの私のおでこに、
優しく唇を落とした。



『は?』


「んー、今日は俺、千春の彼氏ですし笑」



『それとこれとは、「ほら行くよ。」はい。』






私はおでこに風邪とは違う熱を感じながら。


彼にエスコートというか、
強引に引っ張られてランウェイを歩いた。



彼が出た途端に、ざわめいたから。
たぶんきっと。



彼の外見に惹かれたんだと思う。



私たちがランウェイの端まで歩くと。

彼は何も言わずに膝まずいて。



私の手に、また唇を落とした。



『な、な、なな』



人前でこんなことされてあたふためいてる私に。



にっこりと微笑んだ彼は。



なにもなかったように。



舞台裏へと私を強引に引っ張った。







*
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