第3章 はーどわーく(1)
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「だからこの仕事って言うのはウソウソウソウソ、嘘!」
彼が私が必死に覚えた資料をハラハラ~と
床に撒き散らす。
いきなり狂ったようにテンションを上げた。
櫻井さんに私は全くと言っていいほどついていけなかった。
この人ってこんな感じだったんだ。。と、
人間の第一印象の違いに対する恐怖がひしひしと
理解できた。
そして、
嘘だろ、というふうに口をアホみたいにあけた私に
にっこり微笑んで。
「安心してください。」
履いてますよか?履いてますよか?
個性的過ぎる彼が唯一の救いの言葉を差しのべた。
「千春が覚えたことは無駄じゃないよ。」
『ほんとですかそれ笑。ちょっとというか大分?なんか何から何まで嘘嘘嘘じゃ、感覚が麻痺してるんですけど。』
「安心してください。本当ですよ。」
なんなの。それ、はまってんの?
『はっきり言って古いから、それ。』
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