第3章 はーどわーく(1)
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『さっきから合格とかなにを判定してるんですか?』
松本さんは机から資料を取り出して
ドサッと私に渡す。
“レセプションパーティー”
『なんですか、これ』
私が訪ねると急に立ち上がって。
「千春は顔がいい。」
と私の頬を片方の手でつかんで言う。
「華がある、そしてケバくない。」
「それに胸を覗けばスタイルもいい。」
もう片方の手でくびれからおしりまでを
すーっとなぞる。
『セクハラですよ』
そんな抗議など気にせずに松本さんは続ける。
「そこでこのレセプションパーティー。」
松本さんは私に渡した資料の中から一枚とって。
見せつける。
「このパーティーに千春は接待として参加してもらう」
『は?』
「まず!この資料に書いてあることは全部頭にいれること。」
異論は認めないとでも言うようにマシンガンのようにまくしたてる。
『そんな!』
「締め切りは三日後。それまでに完璧にしとくこと。」
鬼畜過ぎる。
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