第4章 作られていく日常
「Why did you want to come to Japan?(なんで日本に来たの?)」
これは昨日から気になっていたことだ。
姉さんが泊めるから気にしなかったけれど、こんな機会があるんだし聞いてみた。
「・・・Becaunse I'm looking for something funny.(面白いことを探すためよ)」
「funny・・・(面白いこと・・・)」
「That's right.I am happy that I can meet you.(そう。ま、貴方のような人にも会えたからこの旅はとりあえず成功ね)」
「・・・え?」
”I am happy that I can meet you.”?
(これは・・・僕に会えてよかったって意味だよな・・・?)
僕は、彼女に何かしてあげられただろうか?
特に思い当たる節が無いので適当に合わせた。
「Than I'm glad.(それならよかった)」
彼女の顔に笑顔が浮かぶ。
英語だと日本語よりも意味が曖昧なところがあるから、すこしくらい意味を受け取りは違うけれど・・・
「I want to talk with you tomorrow too.(明日も君と話したいな)」
「Oh, all right.(ああ・・・いいよ)」
彼女は喜んで承諾してくれた。
彼女と話すことで英語の成績が上がるかもしれないな(笑)
・・・と強がってるけれど、思っていたよりも早いラリーだ。
少し厳しいかな~
「・・・だけど、時間も時間だし英語はここまでってことで! 私の方も早く教えてよ・・・」
彼女は本来の目的を思い出してプリントを差し出す。
「そうだったね」
僕も英語は諦めて彼女の宿題に付き合った。
――思ったよりも楽しい時間だった。