第3章 テニス部
「あの人が手塚君?」
「そうよ。かっこいいと思わない?」
隣の女子に聞く限り、やっぱり手塚君なのだと知らされる。
彼はどうやら周助君ともう一人の男子・・・おそらくテニス部だろうが、その人に用があったらしい。
二人は何も言われずとも手塚君の元に歩み寄る。
「やっぱり手塚君はいいわね~そして、隣に不二くんが立つと・・・」
「最高のツーショットが出来上がるわ~♪」
「え・・・あの二人?」
私は思わず聞いてしまう。
すると話していた二人はくすっと笑って答えてくれた。
「だってさ、あのイケメン二人、お似合いだと思わない? テニス部の実力で言ったらナンバー1とナンバー2なんだって。すごいわよ」
「どっちが?」
「もちろん手塚君がナンバー1よ」
「・・・そっか」
ナンバー1は部長の手塚君。
そしてあの周助君がナンバー2か・・・
「・・・すごいんだ」
「しかも、うちのテニス部は強いらしいよ。地方の中でも上位を争うし・・・だから、二人の実力も世界に通用しちゃうかも☆」
「へ、へえ・・・」
世界はどうだっていい。
でも、強いということはそれだけテニスをしているということ。
周助君は小さいころからテニスをしていたのかな?
手塚君と周助君が話していると、やっぱりただならぬ空気を感じてしまう。
・・・彼らがテニスをしているところを見てみたい。
彼らの実力を――というよりも、彼らのテニスをしている姿を見てみたい。
どんな目をしてやっているのか。
どんな表情でしているのだろうか。
どんどん気になっていく・・・
――私はどうなってしまっているというのだろう――