第2章 学校
「おはよ―ございます」
「おはよ、ルネ。よく眠れた?」
「おかげさまで(笑)」
「おはよう、ルネさん。じゃ、僕はもう行くよ」
翌朝、起きてリビングに行くと、周助君はもう家を出る支度が終わった様子だった。
「周助、送ってく?」
「今日はいいよ。ルネさんの事もあるしね・・・」
じゃ、行ってきます。と言って周助君は家を出て行ってしまう。
「いや~・・・テニス部って朝早いんですね~」
「この頃ね、期待のルーキーが入ってきたから負けられないって頑張ってんのよ。わが弟ながら素晴らしいわ~(笑)」
「それ本気の言葉?」
「さてね♪」
姉さんは笑ってそう言うと、私の方を見て言った。
「それ、寝間着? 可愛いわぁ♪」
「ん? ありがと☆」
褒め言葉にはちゃんと感謝の言葉を返す。
「うちはどうよ。窮屈しない?」
「大丈夫ですよ」
「敬語」
「あっ・・・大丈夫だったよ」
「そ。ならよかった」
…ま、本当は私の家の方が大きいのは事実だけれども。
姉さんはその言葉を聞くとにっこりとわらう。
こういうところを見ると、やっぱり兄弟だなあって思ってしまう。
「あの、もう一人の弟の祐太君って人は、どこの中学なんですか?」
「聖ルドルフ学院よ。でもま・・・たまにうちにも寄るけどね」
「実家なら帰るのだって当たり前じゃないんですか?」
「うーんとね・・・あの子はちょっと周助にライバル心も感じてるのよ。憧れの兄貴なんだけど、ちょっと弟であることを疎ましくも思ってるのよね・・・」
「どうし・・・」
聞こうとして慌てて自分で口を塞ぐ。
聞いていいことと悪いことだってあるのだ。
姉さんの喋り方して、今のは聞いちゃいけないやつでしょ・・・!
「こ、今度寄る予定とかは・・・?」
「さあね~もうすぐテニスの試合もあるし、しばらくは練習で忙しいんじゃない?」
「そっか・・・」
祐太君ってどんな人なんだろう。
やっぱり兄弟そろってニコニコ笑顔だったり?(笑)
それはそれで怖いんだろうな~・・・