アイドル☆キュンキュン【Mr.FULLSWING】
第1章 嫉妬
「ちゅーのすけー。」
「・・・。」
「どうしたのさー。ぶすーっとしちゃって。」
本当に心当たり無いんすか?
あなたのせいですよ、○○さん。
僕より犬飼君の方が好きなんじゃないっすか?
それは無いにしても寂しいっす。
「犬飼君のこと?」
○○さんの申し訳なさそうな言葉で、僕はようやく○○さんの顔を見る。
「嫌だったならごめん。」
そんなこと言うなら初めからやめてほしいっす。
なんてことはさすがに言えないけれど。
でも本当は嫌なんっす。
僕だけを見ていてほしい。
犬飼君の親衛隊だなんて辞めてほしい。
「僕は○○さんを束縛したくないっす。」
でも僕の口から出るのは思いとは裏腹に綺麗事ばかりで。
「ありがとう。」
○○さんの言葉になんだかイラッとした。