アイドル☆キュンキュン【Mr.FULLSWING】
第2章 翌日
学校のチャイムが鳴って、部活開始時刻を告げた。
まだ放心状態だった犬飼君はそれでようやく我に返り、僕達は急いで部室に向かう。
部室のドアを開けたところで犬飼君と目が合った。
「・・・とりあえず、お前らウゼー。」
あ、犬飼君、相当本気で嫌がってるっす。
そりゃあそうっす。彼からしたら自分は何も悪く無いんすから。
なのに突然惚気に付き合わされ、ついでにまるで僕より格下のような扱いを受けたんだから。
「まぁ、大目に見てやって欲しいっす。」
また犬飼君が嫌そうに僕を見る。
僕がよっぽど幸せそうな顔をしていたからっすかね?
許して欲しいっす。どうしても顔が戻らないんすよ。
犬飼キュンは僕よりたくさんの人に愛されているから、これでおあいこにしてくれないっすかね?
犬飼君には犬飼君の、僕には僕の良さがある。
そして○○さんが選んだのは、犬飼キュンではなく僕の良さ。
今日からは晴れやかな気分で野球が出来そうっすね。