第2章 ❇︎1月 こたつ【おそ松さん 長男】
❇︎おそ松視点
へへっ、見てる見てる。
が物凄い寒がりってことはこの冬だけで嫌という程知っていた。
だからこう言えばアイツが俺を見てくれるって分かってたんだよなぁ。
折角来たのに何もないなんてそんな空しいことあっちゃだめでしょ。
知りたい?と問いかけてみれば首がもげるんじゃねぇかって位縦に振るが面白い。
同時に、騙されるんじゃないかって露ほども考えないコイツがたまらなく可愛かった。
「じゃあこたつから出て、こっちきて」
「え…出なきゃダメ?」
こたつの温かさから離れることを躊躇ったものの、俺がそうじゃなきゃ教えないと軽く脅しただけですんなりと出てくる気になったみたいだ。
寒さに肩を震わせたものの、いそいそとこたつから出てきた彼女は俺の前にちょこんと座った。
「はい、よく出来ました」
「で?そのあったかい機械って?」
「まぁそう急かすなって…」
鼻の下を擦ったりして、ちょっと威張ってみる。
主導権を握ったという事実はやけに俺を高揚させた。
ドSな心が疼いてやべぇ。
目をきらきらと輝かせて俺を見ているを焦らしたくて堪らない。
「ねぇ、早くしてよ」
「はいはい、仕方ねぇなぁ。じゃあ目、つむって」
しかしこいつの場合焦らすと怒るので加減が必要だ。
そろそろヤバイことを経験上悟っている俺は次の指示を出した。
この辺りで首を傾げても良さそうなものを、は素直に従う。
彼女は計算高いように見えて、実はピュアで単純な人間なのだ。
へへっ。ひっかかったな。