第8章 傷
はぁ…にしてもまだ離して貰ってない…
どうしようか
修兄が必死になってるし………
『修兄、分かった。行かない』
バッ
虹「ほんとか…?」
そんな不安そうな顔で見ないでよ
修兄には笑ってて欲しいのに
『うん(微笑)』
笑って返すと
良かった…と呟いて離してくれた
虹「…で?」
え?
『え?』
虹「はぁ…いつからまた始まってた!?」
『…最近は全然なかった。というよりもこっちに帰ってきてからは今回が初めて』
虹「なんでまた………」
修兄…ありがとう
そうやって心配してくれる人がいるのが私は幸せ
『…大丈夫。どうにかやり過ごすよ。…………修兄、そろそろ帰らなくていいの?』
修兄誰かと遊んでたと思うけど…
出掛けるかっこだし
虹「…あぁ、帰るよ。………行くなよ?無理すんなよ?…辛くなったら、呼べ。いつでも行く」
そう言って修兄は帰っていった
修兄、かっこいいな
ありがとう、修兄が居たから私は私のままでいられた
そう伝えてもきっと修兄は
守り切れなかった、俺のせいだって言っちゃうよね
違うのに。
修兄のお陰なのに
言葉が足りなくて、もどかしい…
修兄は皆に好かれてる
優しいしかっこいいし、人想いだ
私だって修兄のことは大切だ
…修兄聞いて?
私ね、修兄以外大切な人なんて思いつかなかった
でも、今はね皆いるの
慎太郎、テツヤ、大輝、征十郎、敦、祥悟、さつき
修兄が教えてくれた“バスケ”
ありがとう、生きたいと思えた