第4章 赤葦とおでこ
あかーしの髪とおでこをめでたい
「あーかーしくん!」
「げ」
彼女がいつになく きらきらしている。
これは、よくない。
まえ ケーキを食べにいったカフェで この顔に遭遇したときは、
小一時間 手を (本人無自覚の)(いかがわしいタッチで)触られて 挙げ句の果てに 爪のさきや 爪を彼女のゆびの腹で 擦られたり、鑑賞されたりするという 謎の お願いだった。
(そのあと 出先だったため 気持ちを落ち着かせるのにどれだけ 苦労したか、 すいれんは知るはずもなく。)
「あかーしくん!!」
「やめてください」
「まだなにも言ってません」
「なんとなくわかります」
「えぇー……だめ、かぁ」
「……」
「だめ?」
「……、」
「ダメとは言ってないですよ、 すいれんさん」
まあ、聞くだけならタダだし。
「あのね、あのね、おでこ触っt「ダメです」
「だめじゃん!」
「要件を聞いた結果 ダメでした、残念でした〜」
とか言いつつも、そんなやりとりをしたいだけ。なんて、彼女には黙っておこう。