第22章 赤葦と星空
「到着しました」
『ありがとうございます』
あ、知ってる。途中から 知ってる道だなあとおもったけれど、木兎さんと前来たところだ。(そのときは まだ ただの 遊び仲間だった)
「雲かかってないから、よく見えるよ」
おいで、 と彼が言った。真っ暗ななか、彼を探して 後ろをついていく。(車のライトをつけたら、光に目が慣れてしまって、小さな星が見えなくなってしまうらしい)
『わぁあ。』
やっぱり、きれいだ。
正面に見えるのは とっても わかりやすい オリオン座。あとは、京くんに教えてもらった馭者座。すうっと 目をずらして、ふたご座。
オリオン座以外は、全部京くんに教えてもらった星座だ。(ほかにも 星の名前教えてもらったけれど 覚えられていない)
「さて、 すいれん、ここどうぞ」
『わ、ごめん、ありがとう。』
わたしが見惚れてる間に 京くんは レジャーシートを敷いておいてくれていた、(さすがイケメン) (さらっと そういうことするからなあ こいつ)
そっと 寝ころがろうとすると、あたまにやわらかい感覚。
見るとさっきまでわたしが車内で膝かけとして使ってたブランケットが小さくたたまれていた。(さすが京くん)
京くんも横に転がり、隣に彼の温度を感じながら、のんびり 星が降るのを待った。