第14章 赤葦とバレンタイン【裏】

『あ……んっ… 』

息苦しいから、口を開くと、京くんの舌が挿しこまれる。わたしの舌を見つけると、先端を転がしてきた。

ピチャピチャと、卑猥な音が部屋にこだまする。

もっともっとと、おねだりをすると、
京くんは、おいで、と言ってくれた。その目はとても やさしくて、慈愛にあふれてた。

椅子から ゆっくりと立ち上がって、京くんの胸に飛び込んだ。京くんは脇に手をあてて、ひょいと持ちあげた。
そして ベッドに落とされる。

「もっとしてほしい？」

京くんの言葉は とても 甘かった。
こくり、と頷くと、いいこいいこしてくれた。
舌を絡めたり、つつきあったり、音を立てて 吸われたりしているあいだ、そのあたまを撫でてくれた指は 、頬を撫で、鎖骨を撫で、右胸にたどりついた。

どきどきしてるのが わかる、今か今かと、はやく触れてほしいと身体が言ってる。

『んん…っ 。………ぁん』

どうして、きもちいい場所がわかるんだろう、服を着てるのに。京くんには、見えてるのかな。

「きもちいいんだね、 すいれん？」
『う、ん……、？』
「同意求めなくても、見てればわかるよ。感じてるね、気持ちいいね、 すいれん。」

プチ、とホックがはずされた。するりと 真っ白のニットが 身体から落ちた。

「触るね」
『言わなくて、いい、からっ……ぁあ…っ』