貴方のハートを狙い撃ち! 【サイコパス ラブコメ】
第1章 プロローグ
こうして、1年間に及ぶ、私の血の滲むような努力が始まった。幸い、3年生になっても、縢ちゃんとは同じクラスになれたから、もう完璧な学習環境で3年生を過ごすことができた。
「だから、ここは公式を覚えなきゃハナシになんないって、昨日言ったばっかじゃん!!やる気あんの!?の脳みそは、マル○メ味噌なの!?」
「ハァ!?前に、ウチの味噌はタケ○味噌だって言ったじゃん!覚えてないの!?馬鹿縢!!略してばかがり!!!」
「あああああ!!!無駄口叩いてる暇があったら、例題解け!馬鹿!!」
最初はこんな会話ばかりを繰り返していたけど、1か月、2か月と経過するうちに、私の勉強は予想以上に捗(はかど)っていった。
3年の最初に受けた模擬試験は、誰がどう見たって目も当てられない結果だったけど、その後の成績はみるみる上がっていった。最初の模擬試験の結果を見たときに、両親は無言で首を横に振って溜め息を吐いていた。でも、数か月後の模擬試験の成績表を見ると、両親はすぐに田舎へ帰り仏壇の前に成績表を飾って手を合わせていた。我が両親ながら、非常に分かり易いと思う。今まで母親は、夜に私の部屋を覗いては、ゲームと漫画ばかりに耽る私を目の当たりにして、無念の表情を浮かべるだけだった。でも、今は違う。参考書と格闘する私に、毎晩涙ぐみながら飲み物を持ってきてくれている。どうしちゃったの、等と母に尋ねられても、適当にはぐらかして答えた。だって、恥ずかしいんだもん!まさか、自分の親に、一目惚れした先輩を追いかけて同じ高校に行きたいなんて、言えるわけないじゃない!だって、女の子なんだもん☆