第1章 プロローグ

「……、だったらもっと、せめて勉強だけでも頑張りなよ……。運動神経も悲惨なんだから……。」
「う゛……。」
　その通り過ぎて、何も言い返せない……！

「縢ちゃんは運動もできるし、見かけに依らずテストの成績も上位だよね？何で？」
「何でって……。失礼でしょ、それ……。」
「何？縢ちゃんの親は、テストの度に学校側に裏金でも積んでんの？」
「ハァ！？ここ公立中学だよ！？何言ってんの！？いよいよ頭大丈夫！？」
「……、私も、狡噛先輩と同じ高校に行きたい……。そして、禁断のラブラブライフを手に入れたい……！」
「ハッ……。いや、同じ高校に行くならまだしも、ラブラブライフっていうのは、難しいんじゃない？」
　鼻で笑われた。縢ちゃんが、若干……、いや、随分と私を馬鹿にしている……！
「……。」
　私は、無言で縢ちゃんを睨み付ける。だって、言い返したところで、最終的には縢ちゃんに勝てなさそうなんだもん！
「だって、狡噛先輩モテモテだよ？この間だって、結局学ランのボタン全部女子に引き千切られてたじゃん。それに、女の子が次々と告白して、もうわんこそば状態だったじゃん！」
「ヒロインは私なのに……！」
「ハイハイ。がバカなのは、バッチリ伝わったから、寝言は寝て言ってね。」
　ぐぅ……、縢ちゃんのクセに、生意気な……！
「そんなに言わなくてもいいじゃん……。あ。」
　でも、やっぱり私って天才！イイこと思いついた！！
「……、何？嫌な予感がするけど、一応聞いてあげる。」
「縢ちゃん、私より勉強できるよね？」
「できるけど、それが何？」
「それじゃあ、休み時間とかでいいから、これから私に勉強教えてよ！」
「……は？」