貴方のハートを狙い撃ち! 【サイコパス ラブコメ】
第1章 プロローグ
「ごめんなさい、私、急ぎますので……!
なるべく目を合わせないようにして、鞄を抱きしめて走ろうとした、その時。
「痛いっ!」
その3人組の1人が、私の腕を思いっ切り掴んだのだ。
「オイオイ、ごめんで済んだら警察は要らねーだろ!」
「まぁ、財布ぐらいは置いて行ってくれんだろうなァァァァァァァァァ!!!!」
「ひっ!?」
怖くて、体が動かなくなった。そこに、王子様のように登場したのが、狡噛慎也先輩だったの――――!よっしゃあ!盛り上がってきたァ!!!
「ねぇ、……、本ッ当に頭大丈夫?受験以前の問題がある気がするんだけど……?」
「んもぅ!今いいトコなの!縢ちゃんの話なら、あとで聞いてあげるから!」
「……。」
「オイオイ、高校生が複数で女子中学生を引っ掛けるなんて、最低だな。」
きゃああああああああ!狡噛先輩、かっこいいいいいいいいいいいいいい!……じゃなかった。続き続き。
「中学生のクセに、生意気だな!先輩が指導いれてやるよ!!!」
「わっ!?」
私を勢いよく突き飛ばし、高校生たちは狡噛先輩に殴りかかった。
「丁重にお断りさせていただくよ。」
狡噛先輩は、呆れたように呟いて、ものの数十秒で、不良たちを圧倒した。その勇士は、今も私の脳内に焼き付いておりますとも!!!脳内に保存用フォルダを作成し、最高画質・最高音質で保存されております!
「……、オイ、アンタに怪我は無いか?……ん?ウチの中学の制服だな。名前は?」
「……、……、です。入学したばっかり、で……。」
「俺は、狡噛慎也。俺も今から部活に行くし、一緒に行くか?」
爽やかに、王子様スマイルを惜しげもなく私に向けてくれた、狡噛先輩。そのときから、私は狡噛先輩のことが好きになったのです。