第3章 EPISODE Ⅰ
私の心に棲んでいるナチュラル。
時折暴発して私の意思を奪う。
望まない言動に走る。
全ては影の悪魔ヴィアリィによって。
~ワタシはいつだって自由~
『もうやめて!』
~あなたのカラダ全部頂戴~
『いやッ!!』
心臓を握られるような痛みに耐える。
ヴィアリィは焼け付く低温の肌で私を包む。
苦しくて、息ができなくなる。
必死に息をしようと肩が揺れる。
『ハ……ァッ!!』
~苦しい?~
『ッあ゛……』
影の手を掴んでしまった。
影の悪魔ヴィアリィが心を蝕む。
そしてしばらくすると痛みも苦しみも全て何もなかったかのように消え去る。
現れては、何も残さず消えて行く。
目的は体。
影が定着できる体が欲しいのだろう。
そんな攻防戦が時折行われる。
リオノーラは体を守り、
ヴィアリィは奪おうとする。
『も、終わりに…して……』
選んだ運命 モドレナイ
進んだ道 ヒキカエセナイ
全て望んだことだった。
影に心を繰られても、助かる術もない。
ただただ戦うことしかできないのだ。
現実では体を守るために戦い、
中では心を守るために戦う。
リオノーラは戦いを選んだ。