第3章 EPISODE Ⅰ
入れ替わったナチュラルとリオノーラ。
リオノーラはヴィアリィの中で叫んでいた。
―ここから出してッ!!私はナチュラルじゃない!―
~うるさい、黙って。これはワタシの遊戯なんだ。邪魔しないで~
―許されるわけない!―
~あんたが悪いんだよ~
私の体に入って人々を切り裂くヴィアリィ。
別名ナチュラル。
亡霊となった私は見つめるしかできない。
怖い。
自分が暴れている。
力を乱用して罪のない人々の命を奪っている。
これじゃまるで一族を襲った海賊と同じ。
―やめてッ!!―
光りだす私の体。
ナチュラルはその光に追い出され、私は元に戻る。
赤に染まった狐の瞳はライラックに戻る。
私は心に棲みつくナチュラルを呪った。
―もう消えてッ!!!―
~愉しいじゃない~
殺しを楽しむなんてしたくない。
私は穢れたくない。
「九尾の狐だァ!!捕らえて政府に明け渡せ!!」
「殺されるぞ!近寄るな!!」
嫌われ者となった。
自分の意思でなったわけではない。全てナチュラルが仕組んだもの。
私の心が自壁を失くすのを待っている。
防備が薄くなるのを望んでいる。
こんなの終わりにしよう…。
全部全部なかったことにしよう。
私はこんなこと望まない。
『今すぐ私から出てって!!ナチュラル!!!』
~ヴィアリィだって、ナチュラルは二つ名~
『出てけ出てけ出てけ!!』
こんなことの繰り返し・・・
ナチュラルに心を侵食される毎日