第3章 EPISODE Ⅰ
「一体…何があったんだ……」
10年前突然現れて、その3年後に何も告げずに消えて行った。
まさか敵船で再会するとは思わなかった。
すっかり成長していたが、目と髪の色で分かった。
こいつはリオノーラだと。
だが今、エースたちのことをリオノーラは覚えていない。
「どうしちまったんだ…」
出会った頃のように気性が荒い。
狂ってしまったのだろうか。
失踪から7年の間に何があったというのだろう。
『出してッ!!ここから出してよ!!』
何かに閉じ込められた。
周りはヒンヤリと冷たい。
冷たいはずなのに肌を焼く。
『イヤアァァァァッ!!!』
どれだけもがいても出られない。
漆黒の闇に包まれて心を壊される。
自分が何故泣くのか・・・
恐怖?
それとも・・・悲しみ?
『もうこれ以上…苦しめないでッ!!!』
身動きが取れない。
苦しい。
痛い。
辛い。
怖い。
『誰か私を助けてェッ!!!』
~ワタシが助けてあげる~
伸ばされた漆黒の腕を我武者羅に掴んだ。